日本におけるインクルーシブ教育

国際人権法の下で、障害者はインクルーシブ教育を受ける権利を有しています。インクルーシブ教育では、すべての学習者が同じ学校、同じ学級で教育を受け、それぞれのニーズに応じた適切な支援と合理的配慮を受けながら、学習や学校生活に十分に参加できることが保障されます。

しかし、日本が「インクルーシブ教育システム」と呼ぶ制度には、特別支援学校や特別支援学級が含まれています。

日本の「インクルーシブ教育システム」は、障害者の権利に関する条約(CRPD)に基づくインクルーシブ教育の概念とは根本的に異なります。国連の障害者の権利に関する委員会は、2022年の日本に関する総括所見において、「分離された特別教育の永続化」への懸念を表明し、分離された特別教育を終わらせることを目的として、障害のある子どもがインクルーシブ教育を受ける権利を認めるよう日本に求めました。

委員会は、以下を懸念する。

(a) 医療に基づく評価を通じて、障害のある児童への分離された特別教育が永続していること。障害のある児童、特に知的障害、精神障害、又はより多くの支援を必要とする児童を、通常環境での教育を利用しにくくしていること。また、通常の学校に特別支援学級があること。

障害者の権利に関する委員会 - 日本の第1回政府報告に関する総括所見 - 2022年 - CRPD/C/JPN/CO/1, 第51項(a) - 外務省 和文仮訳

委員会は以下を締約国に要請する。

(a) 国の教育政策、法律及び行政上の取り決めの中で、分離特別教育を終わらせることを目的として、障害のある児童が障害者を包容する教育(インクルーシブ教育)を受ける権利があることを認識すること。また、特定の目標、期間及び十分な予算を伴い、全ての障害のある生徒にあらゆる教育段階において必要とされる合理的配慮及び個別の支援が提供されることを確保するために、質の高い障害者を包容する教育(インクルーシブ教育)に関する国家の行動計画を採択すること。

(b) 全ての障害のある児童に対して通常の学校を利用する機会を確保すること。また、通常の学校が障害のある生徒に対しての通学拒否が認められないことを確保するための「非拒否」条項及び政策を策定すること、及び特別学級に関する政府の通知を撤回すること。

障害者の権利に関する委員会 - 日本の第1回政府報告に関する総括所見 - 2022年 - CRPD/C/JPN/CO/1, 第52項(a)–(b) - 外務省 和文仮訳

委員会は、インクルーシブ教育に関する勧告について、早急な措置が求められるとしています。

委員会は、本総括所見に含まれる全ての勧告の重要性を強調する。委員会は、早急な措置が求められるものとして、自立した生活及び地域社会への包容に関するパラ42、及び障害者を包容する教育(インクルーシブ教育)に関するパラ52に含まれる勧告について、締約国の注意を喚起したい。

障害者の権利に関する委員会 - 日本の第1回政府報告に関する総括所見 - 2022年 - CRPD/C/JPN/CO/1, 第71項 - 外務省 和文仮訳

本サイトでは、国際人権条約、国連文書、日本政府の資料などの一次資料を用いて、「インクルーシブ教育」と日本の「インクルーシブ教育システム」の違いを検証します。

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インクルーシブ教育の意味、歴史、人権上の基盤について:

インクルーシブ教育に関する主な国際文書: